小川峰㈱ インタビュー
小川峰は創業が昭和29年の60年の歴史を持つ、テキスタイルの企画・製造・卸の会社です。老舗でありながら、新しいテキスタイルに果敢に挑戦していらっしゃいます。今回グリッドフレーム(GF)は田原町に新社屋がつくられるのに併せて、新しいコンセプトでショールームをつくりたい、というご要望に応えて、空間をつくらせていただきました。お引渡しに際し、小川映圭専務にお話を伺いました。
田中(GF):とても気持ちのよい社屋ですね。今回、新しいことに挑戦させていただいて、とても愉しくお仕事させていただきました。ありがとうございます。
小川専務:おかげさまで、ショールームもとてもよいものになったと思います。こちらこそ、ありがとうございます。
小川専務:今、会社が次のステップを目指すところに来ている、と思っています。実は、今回GFさんにつくっていただいたものを理解するスタッフばかりではないんです。でも、僕としては、こういったものの必然性を社員それぞれが自分なりに理解することで、次のステージに行けるような気がしています。
久保(GF):なるほど・・・。
小川専務:ある意味、機能からのデザインと創造としてのアートって、両極端のところにあると思うのですが、それが出会ってできたものの価値というか。
この空間からスタッフの感性が刺激を受けて、今度は、スタッフの感性で空間が変わっていくような部分があればいいなあ、と思います。
久保(GF):最初にショールームのお話をいただいたときに、いろいろなイメージやコンセプトをいただいたのですが、どれも必然まで昇華させることができないというか、テイストの話で止まってしまうところがあって。
そこで、田中と話したのは、『ショールームへ来られるカスタマーと、スタッフをつなぐものが必要で、それがこの空間の骨格をなすようにつくる』ということでした。
小川専務:やはりそういうことだったんですね。
田中(GF):機能的に分かたれた二つの空間をつなぐ役割を担うものは、創造的につくられたアートである必要があります。それは作業的には機能を持ちませんが、会社の根源的な商品は何であるかを、そこにいる人々に想起させるものでなければなりません。
小川専務:会社がよりよくなっていくためには、スタッフが『与えられた業務を坦々とこなしていく部分』と『自分の感性を生かして働く部分』の両方ができるようになっていくことを願っています。
このショールームができあがったことで、それがスタッフに浸透していくきっかけになれば、と思っています。