Barnik TOKYO(2014年12月オープン!)へ伺いました
吉祥寺に2014年12月にオープンしたBARnik TOKYO。グリッドフレームは設計と制作・施工で、今までなかった新しい試みに参加させていただきました。このお店は、東洋医学の薬膳とMixologyの知識、技術を応用した薬膳Mixologyというカクテルを提供する世界初のお店です。
初回打ち合わせで、お店のオーナーの小野さんが涼しい顔で軽やかにおっしゃった「アルコールを飲むって不健康なイメージがあると思いますが、それを健康的なイメージに変えていきたいんですよね。」という言葉で、チーム全員が興味津々に身を乗り出して始まったプロジェクトでした。
小野さんの緻密な構想に驚いたり、気さくなお人柄に共感を覚えるうちに、いつものように、2時間以上の長いクライアントヒアリングを終えました。
(グリッドフレームでは、「クライアントの心は世界でひとつ」という考えから、まず夢・思いの共有に十分な時間をかけます。既成の空間イメージにとらわれないよう、最初の打合せでは、どのような空間にしたいか、などの具体的なお店のイメージは伺わないようにしています。)
続いて、社内ブレインストーンミングを数回行い、それをもとに、コンセプトストーリー(ひとつひとつのお店にコンセプトというキーワードではなく、ストーリーをつくることにより、クライアント、デザイナー、つくり手の創造力を喚起します)をつくりました。
コンセプトストーリー、店舗空間は下記をご参照ください。
→ Barnik TOKYOのコンセプトストーリーと空間
詳細設計の段階に入ると、設置器具リストとして、遠心分離機や真空調理器という機材をはじめ、10種類以上の機材(それもすべて横文字だったり)のリストをいただきました。
こちらの頭の中は??が連続しましたが、ドリンクを発明する実験室のようなバーが実現するかと思うと、テンションがどんどん高まるのでした。
そして、ガラスのバーカウンター、ガラス管を用いた天井造作など、弊社のつくり手も力を最大限に生かした店内造作で唯一無二の空間ができあがったと思っています。
さて、先日1月22日にはじめてこの薬膳ミクソロジーを味わいにBarnik TOKYOへ行ってきました。
まずはメニューですが、タブレット式になっていて、ミクソロジーカクテルとスタンダードドリンクに分かれています。
もちろん、ミクソロジーカクテルをトライしたかったので、メニューを見てみると、7カテゴリーにそれぞれ8種類ずつものカクテルがあり(計56種類)、個々のメニューに美肌・アンチエイジング・疲労回復...などと記載されています。
カクテルは味覚と視覚で選ぶものと考えていましたが、体調や改善したい部分に合わせて選ぶという新発想が驚きです。
また、メニューにないものも、好みの味と体調を伝えると作っていただけます。
たとえば筆者の場合は、「甘くてフルーティー、かつ美肌とアンチエイジングにとっても関心があります」と(ここでは、"関心があります"程度に、あえて控えめな表現で、淑女な感じで)頼んでみました。
そうして出てきたものは、ローズやハイビスカスなどのハーブを用い、チェリーのお酒を使用した、ピンク色のジューシィーなカクテルでした。(↓画像が悪くてごめんなさい)
一緒に行った同僚は、「とにかくさわやかなもので」とお願いしましたら、今度は凛とした存在感が美しい女性バーテンダーが、いくつかのリキュールを混ぜた上でシャカシャカとワインボトル位の瓶を上下に振り、どの時点で炭酸が注入されたかもわからないうちに、レモンイエローの美しいカクテルが登場。
どちらも美味しくて、さらに体によいと(アンチエイジング)と思うと、満足度はさらに高まります。
この日は時間がなく、たくさんいただけなかったですが、興味深い取組みについても聞かせていただきました。
Barnik TOKYOさんでは、カクテルコラボプロジェクトと称して、アーティストのファンサービスのため、企業の販促のため、一般の方のメモリアルのためにオリジナルカクテルのデザインを無料企画として始めていらっしゃるということでした。
確かに、結婚式のときなどに、二人のイメージのカクテルを大切な方々と共有できるなんて素敵でしょうね。
(記:久保)