2015.06.11
CONCEPT
居抜き物件のおもしろさを未来への力に変える
私たちグリッドフレームは、居抜き物件の改装も得意としています。
スケルトンからの内装で不可避的にかかってしまう設備などのコストを、得意なデザイン部分に回せれば、安価でよりよい空間をつくることができます。
このように居抜き物件のメリットは、コスト的なものばかりが強調されていますが、店舗空間をつくる立場からは、もうひとつ別の視点をお勧めしたいと思います。
居抜き物件のおもしろさは、その空間に歴史がある、ということです。
だから、今どうして居抜き物件として存在しているのか、その理由を過去に遡って想像することが重要だ、と思います。
想像は、創造であってもかまわないでしょう。というより、創造であるしかありません。
ここで新店舗をつくろう、と思われるなら、自分なりにその空間の過去から未来への物語をつくることが大事です。
そして、自分であればこの空間の歴史をよい方向に引き継いでいける、という「確信」を持つことです。
それが物件を決める一番の理由であるべきでしょう。
コストを抑えたい、という理由は、その次に来るべきことで、上記に少しでも曇りがあるなら、手を出すべきではないと思います。
町を歩くと居抜き物件のオーナーが次々と変わり続けるのを見ることが頻繁にあります。
空間の歴史を創造する、という意識を持っている人であれば、そのような連鎖に陥るリスクは大幅に減少するでしょう。
逆に、居抜き物件のおもしろさが未来への力に変わるに違いありません。