東京から遠く離れた場所に
空港を出ると、しばらく歩きたい気持ちになる。
空気の匂い。空の色。風の音。そして、深呼吸・・・
はじめての場所との出会いは、いつもぼくの心に新しい風を吹き込んでくれる。
ここで何に出会えるだろうか?これから発見する愉しみを思って、胸がはずむ。
東京を離れて、いろんな場所を訪れるといつも、ここでお店をつくるとすれば、どんな空間をつくってみたいか、と考えてしまいます。
そういえば、上述の胸がはずむ思いは、はじめての店を訪れたときの期待感にも似ています。
ぼくたちが、お店をつくるときに大事にしていることも、「発見する愉しみ」をつくることです。
それは、大きな仕掛けであることもあるけれど、ほんの些細なひっかかりに過ぎないこともあります。
あれっ、ちょっと違う、というくらいの・・・。
人を動かすのは、必ずしもインパクトの大きい体験ではない、と思う。
ぼくの人生をふりかえると、心の些細なひっかかりがきっかけとなって、その後の人生が大きく変わっています。
出会ったときは、それに気づかないくらいの小さなこと。
その方が、心の中で何度も繰り返して、ずっと残ってしまうのかもしれません。
そのような小さな「発見する愉しみ」を散りばめるようなお店づくりを、ぼくたちは東京周辺で17年間やってきました。
けれども、もしかしたら、「発見する愉しみ」をより必要としているのは、むしろ東京から遠く離れた場所につくられるお店なのかもしれません。
それは、その土地に「発見する愉しみ」が足りないからではありません。
日本の地方には都会では失われつつある土地固有のかけがえのない文化が、空気のように目に見えないかたちで多く残されているのを感じます。
場合によっては、その場所に住む人たちの方が、それに気づかないようなものもあるでしょう。
むしろ、それらを「発見する愉しみ」に満ちた場所であるからです。
ぼくらが、深呼吸をして感じ取った、ほんの些細な何かを散りばめて、「発見する愉しみ」に満ちたお店をつくりたい。
ぼくらのそんな願いに、もし同じ方向を向いていると感じられた方がいらっしゃったら、ぜひお声をかけてください。
呼んでいただければ、どこへでも行きますw。
上の写真は、熊本県八代市のcafe / esthetic & hair salon Vanilla